生物系博士の就職活動

情報が少ない博士学生の就職活動について、生物・バイオ系博士が製薬企業の就活を行って得た情報・知識を記事にしています!

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就職活動を行った企業

就職活動を行った企業

 

 筆者は、製薬企業の研究職での就職を目指して活動を行っていたが、上手くいっていなかったため、その他の企業についても就職活動をしていた。その中で、それぞれの企業・職種の印象などについて記載したい。

 筆者がこれまで受けた業界・職種は以下の通りである。

  

 

 

製薬企業

 大手の製薬企業

元々は筆者が一番目指していた企業であり、博士人材を採用しようとしている大半もこれらの企業になる。

就職活動が始まるタイミングは早い印象で(修士・学部の学生より早い、もしくは同時期)、11月ぐらいにはエントリーシートを提出する企業があったかと思う。筆者は、就職活動が始まるのが、3月ぐらいだと思っており(マイナビなどを見ても博士の募集時期が記載されていないので)、気付いたら既に始まっている・もしくは提出できない企業もあった。(博士の募集がある企業の一覧は以下にあるので、興味のある企業はこまめにチェックしていただきたい)

博士の就職 - phdjobs.jp -

 

一番興味のある企業だが、始まるタイミングが最も早いため、準備が全くできていなかった。

後から見直すと、エントリーシートの内容もイマイチだし、面接の準備も不十分だった。今思うと、落ちるべくして落ちたのであろう。大手の製薬企業を目指す方々には、出来る限り早く準備を始めることをお勧めする。

エントリーシートに書く内容は、探せば数年間分は見つかるので、それらについて書いてみると良いと思う。できれば、他の人に見て貰った方が良いし、他の人のエントリーシートを見ていると自分のエントリーシートを修正したくなると思うので、まず一回書いて見ると良いと思う。完全な完成版などできないので、書いて修正することを繰り返すと良い。

 

企業についての説明以外が長くなったが、研究職を志して基礎的な研究が出来るのが大手の製薬企業だと思う。企業によって、基礎研究・薬効薬理・薬物動態、場合によってはもっと細分化されていたり、統合されていたりすると思うが、多くの場合はこんな感じだと思う。博士の募集はあるが、採用枠は非常に少ない(大体1-2名)。企業によって、着目している疾患領域や行う業務は異なるので資料や説明会を通じて確認し、自分に合った企業にエントリーすれば良いと思う。

 

大手の製薬企業の面接を受けた中で感じたのは、学んでいる分野がマッチするかどうかであった。

つまり、現在企業が力を入れている分野・今後企業が取り組もうとしている分野を学んできた学生かどうかが、面接を通過する大きな要因であると思った。

 

理由として、武〇の最終面接まで行った学生が、その他の製薬企業の一次面接で落ちるなどを聞き、その落ちた企業で筆者が最終面接まで行けているなどを経験し、学んできた分野とのマッチが強い事などを感じたためである。

 

製薬企業の面接に何度か行くと、同じ候補者と何度もあったりするので、そういった所で情報交換もしておくと良いと思った。博士の就職活動は情報が少ないので(特に筆者の研究室は民間企業に就職する人が少なかったため)、情報交換・共有はできるだけしておいた方が良いと思う。

 

 ジェネリック系の製薬企業

これらの企業における研究職は、既に存在している薬があるため、基礎研究にあたる業務はない。そのため、製剤研究などが中心になるかと思う。募集要項を見ると、修士までしか採用について書いていない企業も多く、積極的に博士人材を採用しているようには見えなかった。個人的な意見としては、ジェネリック系の製薬企業で行う研究にに博士人材は必要ないように思うし、博士まで研究をやってきた人がやりたいような研究内容でもないと思う。

 

CRO(Contract Research Organization)

筆者はCROがそもそも何か知らなかったが、CROは製薬会社が医薬品開発の為に行う治験業務(臨床開発)を受託・代行する企業である。

大手の製薬企業の面接などでことごとくリジェクトされ、彷徨った結果2社程度の説明かと面接などに参加した。

 

臨床試験の企画支援、モニタリング、データマネジメント、薬事申請、非臨床試験などを行う業種で臨床開発モニター・CRA(Clinical Research Associate)として働く。基本的には研究ができる訳ではない。また、未経験者でも募集しているので、応募要項には博士の記載はあったし、説明会でも募集はしているとはいっていたが、そもそも博士を必要としているのかは不明であった。

製薬業界の一部で、実際に人に使われた結果のモニタリングをするので、携わった薬が世の中に出ることで、社会貢献は感じやすいかと思う。

 

診断薬の企業

筆者が製薬企業と最後まで迷っていた、診断薬の開発を行っていた企業である。

製薬企業は、治療薬がなかったり、効果が不十分というアンメットメディカルニーズに対して、創薬を行うことでこのニーズを満たそうとしている。

一方、診断薬は治療法は存在しているが、治療可能な時期に発見できないため、治療ができないというようなニーズを満たすことができる(一例)。

早期診断ができれば、より簡単に病気の治療が可能であったり、診断に生検が必要なため異なる方法で診断するなど、なかなか興味深いと思う。

近年、リキッドバイオプシー(液体生検)なども注目されており、今後伸びていくのではないかと思っている。

 

営業職

製薬企業の営業職はMRになるが、筆者が興味を持っていたのは、専門的な機械やサービスを紹介する営業職である。

 

イメージしやすいのは、学会などで参加した時に企業ブースで、自社の製品やサービスを紹介している人達だと思う。

 

博士の研究過程で、提供するサービスの内容を行っていたりすると、内容を理解しており、実際に使ったこともあるため、一般的な営業職よりも有益な存在になれると考えられる。また、そういう人材を求めている企業もあるが、自分の研究分野とのミスマッチがあると、新たに学ぶ気があっても難しいかもしれない。