なぜ博士人材は企業の中で使えないと言われるのか
なぜ博士人材が企業で使えないと言われるのだろうか?
この点について文部科学省の報告書などを元に考えられる点について書いていきたいと思う。
博士課程に進む人とは?
そもそも博士課程に進む人はどんな考えの人達なのだろうか?
高卒・大卒で就職した人達からは
・勉強が好きな変わった人
・頭がいい人
・学費を払ってまでまだ勉強しているなんて変わってる
とか言われることが多い。
以下のデータは文部科学省科学技術・学術政策研究所が報告した「博士課程在籍者のキャリアパス等に関する意識調査」である。
22名の博士課程の学生のアンケートで博士課程への進学動機をまとめている。
図が分かりずらいのだが、一人の進学した理由が一つでなく、それぞれ別にカウントしているため、合計人数が50人ぐらいになっているようだ。
自分の周りを見てみると分類2の内発型が多い印象である。
やはり研究が好きで続けている人が多く、研究者の先輩も多いため研究を仕事としていくイメージが湧きやすいなどの影響もあるかもしれない。
一方で、分類2の環境型、さらに分類3のモラトリアムに当てはまる人がいるのも事実である。
基本的にはほとんどの人が博士に進学する環境なので博士まで行くのが当たり前になっているのもあるし、正直何も考えておらず博士に進学してきている人も見かける。
中には就職活動をしたくなかったという人もいたが、
修士と比べて博士だと就職するのが簡単だと思っていたのだろうか?
それとも本当に就職活動をしたくなくて先延ばししただけなのだろうか?
なぜ使えないと言われるのか
博士課程の学生がどのような考えを持って進学して、おおよそどんな人間なのか分かった所で、企業において博士が使えないと言われる理由について考えたい。
大きく2つの理由があるのではないかと考えた。
本当に使えない
何も考えておらず博士に進学してきた人は、全員とは言わないが研究に向いていなかったり、単純に能力が低い場合が多い。残念ながらこの人達は、企業だけでなく研究においても使えないと言われる。
そういう人はアカデミアで残れる訳がないので大半が就職しようとする。
そうすると、企業からの博士人材への期待は高いにも関わらず、能力が低い人材が入ってきてしまうため、年齢を重ねているだけの使えない人材になってしまう。
職種とのミスマッチ
博士では研究を続けてきたが、就職を機に研究職以外に就く人ももちろんいる。
この場合、これまで基本的に研究だけを行っていたため、何が自分に合うのかはよく分からないままその職種に就くことになる。
すると研究関連の能力が高いのは間違いないが、その職種に必要なスキルが足りず、イマイチという評価を受けるようである。
民間企業での仕事が向いていた人もいる!
周りの環境に影響をされて博士に進学して、卒業または途中で退学して就職した人の中には、研究は向いていなかったが企業での仕事は向いていた人もいたようである。
その人たちは、アルバイトで行っていた仕事の延長線上で仕事を見つけており、これまで自分が経験した中から適した仕事を見つけたようだ。
研究以外にやりたいことや自分に適していると思った道があるのであれば、そちらに進んでいくことはいいと思うし、その人のためだと思う。
まとめ
企業で使えないと言われる博士人材は
・企業だけでなく研究にも向いていない能力が低い人だった
・本人の適正と職種がマッチしておらず、能力が低く見られている